昨日28日、犯罪被害者支援シンポジウム「私たちはどんな社会に生きたいのか」が開催されました。28日読売新聞にも掲載されているように、280名定員の立川市民会館小ホールが満席になるほどの方にお越し頂きました。数ヶ月に亘り準備を行ってきたメンバーの一人として、会の成功を心から感謝し、喜んでいると同時に、今後の活動に大きな力を頂きました。
当日は、事務局長を務める菅原直志日野市議の開会の言葉で始まり。来賓として東京都市区町長会会長の石川稲城市長にご挨拶を頂き、その後、講演者のトップとして、竹花豊副知事からお話を頂きました。
竹花副知事からは、小さな犯罪にもしっかり対応していくことにより、治安の回復に努めたい。これ以上被害者を増やさないために、被害者のことを念頭に置き治安対策に取り組んでいくという趣旨のお話がありました。
その後、犯罪被害当事者3名から「私たちが失ったもの」と題してのお話がありました。どれも胸が苦しくなるようなお話ばかりで、被害者支援の重要性を再認識しました。竹花副知事を始め、お三方とも、熱のこもった、また心に響くお話で、予定時間を若干経過するほどのものでした。
最後に予定していた、私の会からのメッセージも、閉会の時間が迫ってしまったので、当初予定の15分から閉会の挨拶と含めて5分程度に短縮せざるを得なくなりました。しかし、被害当事者からの生の声をご来場者に聞いて頂くことの方が遥かに意味のあることですので、かえって良かったのではないかと思っています。
ご参考に、以下私の発言の要旨を掲載します。

犯罪被害者支援シンポジウム「私たちはどんな社会に生きたいのか」
(酒井大史発言要旨)
(始め)
本日は、犯罪被害者支援シンポジウム「私たちはどんな社会に生きたいのか」にご参加頂きありがとうございました。また竹花副知事を始め、犯罪被害当時者の皆様には貴重なお話を頂き、誠にありがとうございました。
私は被害者支援を創る会の酒井大史と申します。閉会にあたり、本日ご参加頂いた皆様と是非一緒に考えていきたいことを若干お話しさせて頂きます。
(会の説明)
私たち「被害者支援を創る会」は、「被害者支援制度の創設」を目指し、多摩地域の超党派有志の地方議員が中心となり、およそ5年前に創設しました。設立当初は、被害者への直接支援も議論しましたが、まずはできる範囲での活動とし、直接支援は今後の検討課題として残し、各議会での政策提言および犯罪被害者への理解を深める勉強などを行っていくこととしました。
(会からの提案)
今回、被害者支援を創る会も設立から5年を経過する節目にあたり、竹花豊東京都副知事並びに3名の犯罪被害当事者から生の声を聞かせて頂きました。
皆様方もご存じの通り、近年、テレビを見ていて殺人事件を始めとした事件が報道されない日がない状態であります。
統計上、毎年およそ1300人の方々が殺人事件の犠牲になっています。言い換えれば、7時間に1人の割合です。
今この瞬間にも、この国のどこかで貴重な命を落とされているかもしれません。事件は殺人事件のみならず、傷害事件、交通事故による業務上過失致死傷事件、いじめ等を原因とする自死事件等、多くの被害者が発生しています。
私たちは、犯罪被害者支援と治安対策は表裏一体のものと考えています。
そこで、本日、治安対策の観点から竹花副知事にお話し頂きました。東京都の治安対策の問題についても共に活動していきたいと考えています。
また、昨年12月、国会において犯罪被害者等基本法が制定されました。
今までこの国においては、犯罪加害者の人権を国家権力から守る法制度はあるものの、犯罪被害者の権利を認める法制度は存在しませんでした。基本法の制定により、この国にもようやく犯罪被害者の権利を認める法制度ができたことをまずは歓迎したいと思います。
しかしこの基本法ができたからといって、直ちに被害者支援が充実するわけではありません。この基本法を一読すると、犯罪や犯罪被害者の定義も定まっておらず、具体的な施策は基本計画に棚上げされ、財源についての規定もないなど、まだまだ不十分な内容と言わざるを得ません。
私たちは、基本計画策定時において、民間の支援団体・ボランティアとの連携やアメリカにおけるような早期介入システムの構築など、実効性のある具体的な支援策が構築されることを求めます。また財政面においても、被害者の経済的支援を行っていくため、アメリカで導入されているような犯罪を犯した人が支払う罰金や反則金についてはこれを全て被害者支援に使う制度やイギリスに見られるような国による民間支援団体への財政支援が制度として構築されることを求めます。
「被害者支援の答えは、被害者本人が知っている」とも言われます。今までの法案策定にも、被害者の声が反映したとも聞きますが、今後の具体案の策定には、より一層、現場の声を反映して欲しいと思っています。
そして、犯罪及びその被害者の規定について、この基本法では故意による犯罪の被害者に限定されているような印象を受けます。私たちはこのシンポジウムに、今回お話し頂いた3人の犯罪被害当事者をあえてお願いしました。
高橋さんはテロとも言うべき大量殺人事件によって、最愛の夫を亡くされました。
中土さんは、業務上過失致死という交通事故で愛しいお子さんを亡くされました。
そして小森さんは、いじめを原因としてこれまで慈しみ育ててきたお子さんが自ら命を絶ってしまいました。
犯罪の種類は別として、失った命、その悲しみは同じであると思います。私たちは基本法で救済されるのが故意による犠牲者だけではなく、大切な命を失った被害者のご遺族、体を傷つけられ、心を傷つけられた全ての被害者へ及ぶことを心から願い活動を続けたいと思います。
(要望)
本日この会場には、市民や犯罪被害当事者の方々の他、警察関係、自治体関係者など専門職の方々にもお越し頂いています。
特に本日お越し頂いた市民の方々には、犯罪被害当事者の声に耳を傾け、被害者の思いに共感し、偏見を取り払い、立ち直りに向け、私たちと共に活動して頂ければと存じます。
そして、犯罪被害当事者の方々には、貴方たちは一人ではない、その気持ちを分かちあおうとしている人がいると言うことを感じ取って下さい。
最後に、私自身、5年前までは傍観者の一人でした。5年前、現在事務局長を努めている菅原なおし日野市議から声をかけられ、活動を始めるという一歩を踏み出しました。
本日ご参加頂いた、皆様にとって、本日がその一歩になりますことを心からお願いいたします。
ありがとうございました。